子どもの口の中の病気U
萌出性歯肉炎 / がま腫 / 正中過剰埋伏歯の知識
「子どもの口の中の病気」の特集を掲載していますが、今回はその他の子どものむし歯以外の口の中の病気を紹介します。紹介する病気は萌出性歯肉炎、がま腫、正中過剰埋伏歯です。
萌出性歯肉炎の知識
年齢
- 5歳から7歳
- 第1大臼歯が生えてくる時期(一番奥の乳歯の後ろに生えてくる歯)
- 12歳から14歳
- 第2大臼歯が生えてくる時期(第1大臼歯の後ろに生えてくる歯)
症状
歯肉の腫れや痛みが出ます。時には発熱やリンパ節の腫れ、口が開きづらくなったりのどの痛みをともなう事もあります。口の中を見ると歯が半分しか見えず歯肉で被われています。
治療
これは歯が生えてくる時の歯肉の炎症ですので、大人でいう親知らずの痛みの症状と同じです。違いは親知らずは抜歯しますが、第1大臼歯と第2大臼歯は抜歯しません。
炎症が強い場合には抗生剤と抗炎症鎮痛剤、含嗽剤を処方します。腫れが強い場合には切開して膿を出す場合もあります。また比較的炎症も弱く噛み合わせると上の歯と被われている歯肉が当たって痛い場合は、被われている歯肉を切除する時もあります。
炎症が強い場合には抗生剤と抗炎症鎮痛剤、含嗽剤を処方します。腫れが強い場合には切開して膿を出す場合もあります。また比較的炎症も弱く噛み合わせると上の歯と被われている歯肉が当たって痛い場合は、被われている歯肉を切除する時もあります。
がま腫の知識
原因と症状
「粘液嚢胞」 と同じ唾液腺が原因で発症しますが、粘液嚢胞が小唾液腺に対してがま腫は大唾液腺の舌下腺です。この舌下腺の唾液が漏れ出て周囲の組織に停滞して貯留した状態です。片側の舌の下で腫れて、舌を押し上げその粘膜は透けて見えます。がまガエルの喉頭嚢に似ているためこの名がつきました。
潰れやすく、何度も潰れては腫れてを繰り返します。時に下あごの皮膚周囲に腫れが見られる場合があります。
左舌下部腫脹により舌が押し上げられている
舌下部には4x2cmの半球状の腫脹がみられ、舌を押し上げている
年齢と性別
若年者に多く、女性が男性の2倍です。
治療
外科的に摘出術を行いますが、嚢胞壁が薄いため摘出は難しいのでほとんどの場合、上方の嚢胞壁のみ摘出し残った壁は正常口底粘膜と縫合します。
再発を繰り返す場合、舌下腺を摘出します。
正中過剰埋伏歯の知識
症状
上あごの永久歯前歯の骨の中に歯が埋まっています。歯は逆を向いていたり横を向いたりしています。形は小さくて根は一つで曲がっている事もあります。過剰歯は一本ではなく二本の場合もあります。粘膜が膨らんでいたりしますが痛みはありません。過剰歯が原因で上あごの前歯が開いてしまう場合があります。
治療
正中過剰埋伏歯でとくに障害がみられない場合、抜歯はしません。しかしこの過剰歯が原因で永久歯が開いてくる場合などは抜歯します。また矯正治療では症状がなくても抜歯します。
- 引用・画像提供
- 萌出障害の咬合誘導 / 医学情報社
- 口腔外科の臨床 / 医歯薬出版株式会社