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指しゃぶりやめさせた方がいいの?|そろそろ心配、気になるクセ
指しゃぶりやめさせた方がいいの?|そろそろ心配、気になるクセ|指しゃぶり,おしゃぶり,吸啜運動,歯列狭窄,上顎前突,開咬,交叉咬合,出っ歯
子どもの指しゃぶりやめさせた方がいいの?
うちの子どもは指しゃぶりをしていますが、このまま放っておいていいのですか?おしゃぶりをくわえさせた方がいいのですか?指しゃぶりをしていて何か問題が起こりますか? このように我々歯科医師には指しゃぶりに関してさまざまな質問が寄せられます。では、指しゃぶりのメカニズム、指しゃぶりの是非、指しゃぶりによる口への影響、指しゃぶりの時期(いつまで)、そして指しゃぶりをやめさせる方法とはいったい何でしょう・・・
指しゃぶり|指しゃぶりのメカニズム|吸啜運動,指しゃぶり,おもちゃ
人間はもともと口でくわえて吸う反射運動「吸啜運動(きゅうてつうんどう)」があります。赤ちゃんの吸啜運動はお母さんのお腹の中にいるときからおこなっています。母親のお腹は羊水により無重力状態で自由に身体を動かすことができる場所です。そのため容易に指を吸うことができ、手指と口の感覚を発達させることができるのです。そして出生後はおっぱいを吸い、手足を吸ったりなめたりして、自分の身体を認知していきます。この吸啜運動は意志に関係なく発現し、生後3ヶ月ごろまでおこないます。その後は自分の意志で哺乳量を調節する自律哺乳が始まり、その他に不安解消が目的の吸啜運動が増えてきます。この不安解消目的の吸啜運動が遊び飲みや乳首以外の指やタオルをしゃぶる習慣として定着するのです。
指しゃぶりやめさせた方がいいの?|指しゃぶりのメカニズム|吸啜運動
図1:吸啜反射
指しゃぶりやめさせた方がいいの?|指しゃぶりのメカニズム|指しゃぶり
図2:指しゃぶり
指しゃぶりやめさせた方がいいの?|指しゃぶりのメカニズム|おもちゃ
図3:おもちゃ
指しゃぶり|指しゃぶりしていていいの
赤ちゃんの吸啜行動は哺乳から離乳に至るまでの口の働きだけでなく、こころと行動の発達に深く関係しています。吸っているのは母親の乳首や自分の指であったり、身近なタオルやおしゃぶりといった人工物であったりと多岐にわたるのです。こうした背景からヒトやチンパンジーなどの高等霊長類の吸啜行動は3〜5歳まではあたり前の行動と考えられています。

幼児期になると、子どもは母親が自分とは異なる存在であることを理解し始め、養育者との基本的信頼感が確立する3歳ごろには、親元を離れて一人で行動できるようになります。さらに行動範囲や興味が広がる4歳以降では、不安解消が目的の吸啜も不要となっていきます。多くの子どもたちがこのような経過をたどっていくので、3、4歳までの指しゃぶりを心配する必要は無いのです。

また、発育の影響も、可逆的で自発的に回復できる範囲内にあるので、3、4歳までの指しゃぶりは、そのまま様子を見ても大丈夫でしょう。
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図4:指しゃぶり
指しゃぶり|おしゃぶりは?|歯列狭窄
おしゃぶりを常用している子どもに指しゃぶりはみられません。また、指と違って手元になければ吸えないので、おしゃぶり習慣ならやめさせやすいと考えられています。ただし、日常目にするのは"吸いたい放題"の状況で、指しゃぶりに比べて使用時間は圧倒的に長いことが判明しています。その結果、歯列や顎骨成長への影響も認められ、指しゃぶりの影響以上に、歯列狭窄(しれつきょうさく:U字型をした歯列弓の幅が狭くなりV字型になる状態)は後方部にまで及ぶとされています。

しかし、公の場で泣き叫ぶわが子におしゃぶりをあたえて救われることもあると思います。おしゃぶりは子どもにとって必要な器具ではありませんが、他では得られない即時的な鎮静効果は、養育者にとって魅力的です。本当に必要と思われる時間だけ清潔なおしゃぶりを与えるなら、副作用の心配もないようです。もちろん、使わずに済むならより安心で、無理に与える必要はありません。
指しゃぶり|指しゃぶりによる口への影響|上顎前突,開咬,交叉咬合
指しゃぶりが長期間継続すると、この繰り返し行動は中枢と抹消をつなぐ学習となり、もはや簡単にはやめられない行動パターンとして定着してしまいます。

おおむね5歳を過ぎると、乳歯から永久歯への交換(生えかわり)が始まるなど、口や顔の大きな成長変化がみられます。この時期まで指しゃぶりをしていると、指が押す持続的な力で、上顎前突(じょうがくぜんとつ:いわゆる"出っ歯")や開咬(かいこう)を生じます。また、吸うために働く頬の筋力で上顎歯列が狭窄すると、臼歯部の交叉咬合(こうさこうごう)も招くことになります。
指しゃぶりやめさせた方がいいの?|指しゃぶりによる口への影響|上顎前突
図5:上あごが出て上顎前突
指しゃぶりやめさせた方がいいの?|指しゃぶりによる口への影響|開咬
図6-1:前歯で物をかみ切れない開咬
指しゃぶりやめさせた方がいいの?|指しゃぶりによる口への影響|開咬
図6-2:指しゃぶりによる開咬
指しゃぶりやめさせた方がいいの?|指しゃぶりによる口への影響|交叉咬合
図7:奥歯がずれて逆に咬んでいる交叉咬合
指しゃぶり|指しゃぶりをやめさせる方法
指しゃぶりの癖をやめさせる「これできまり」といった方法はありません。「やめたい」という自発的要求が生まれなければやめられません。また、無理にやめさせて異なる習癖に置換することもあります。長期的にみればさまざまな問題につながる指しゃぶりであっても、すぐに生活機能に支障をきたすわけではありません。親子だけでなく第3者の専門職との連携も不可欠となる場合もあるでしょう。いずれにしろ子どもが自分を客観的に判断し、主体的に問題解決行動を起こすための育児や支援が必要です。

たとえば指しゃぶりへのアプローチとして「指を吸っているのはよくないこと」と捉えず、ありのままを受け入れることです。「指を吸っていたから上手におっぱいが吸えたんだね」、「だからこんなに大きくなったのよ」、「わたしも○○ちゃんのお指を吸ってみようかな」、「わたしのも吸ってみる?」といったアプローチです。

こうしたアプローチにより子どもは「いまのままの自分がお母さんに受け入れられている」という安心感が、新たな体験を通じた満足感を強化することにつながるのです。 その他として、指しゃぶりをしている子どもの注意をそらし、口から指を出さざるをえないようにしむけていくことは大切です。また、指が口から離れていることをほめてあげることも重要な点です。

就学前にこのような姿勢で対応できただけで、口腔習癖とそれに関連する問題が解消することも少なくありません。これは行動パターンの定着が浅く、また口腔機能の獲得期にあるからです。まずはこの状態でしばらく様子をみていきます。

4歳をすぎても、指しゃぶりの癖が残っている場合には、装置を利用して治療を行う場合もあります。いずれにしても、永久歯が生えてくる5〜6歳になるまでに指しゃぶりの癖がなくなっていれば、以後の歯ならびに与える影響は少なくなります。
指しゃぶりやめさせた方がいいの?|指しゃぶりをやめさせる方法|指しゃぶりの矯正装置
図8:指しゃぶりの矯正装置
引用・画像提供
子どものための歯と口の健康づくり / 医歯薬出版株式会社
すこやかな口 元気な子ども / 医歯薬出版株式会社
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